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薪ストーブのある暮らし

こんにちは、つむぎのドワイヤーです。
早いものでもう3月、今朝、今年初の鶯の声をききました。
でも、暖かくなったな~と思ったら、急激に冷え込む日もあったりで、まだまだ体が縮こまる日々。
しばらく暖冬が続いていたので今冬の寒さは本当に身にしみました。

そんなさむ~い冬に、そして春先もしばらくは大活躍な薪ストーブ。
我が家では導入してから4回目の冬でしたが、今回は、里山暮らしにはオススメ!の、
薪ストーブあれやこれやについて、体験を交えながらご紹介したいと思います。

どんな薪ストーブにする?

いつかコトコト煮えるナベの音がする、火のある暮らしをしたい!とあこがれていた薪ストーブ。
いざ購入、となると、決して安くはない買い物なだけに、じっくりリサーチをしました。
薪ストーブユーザーの知り合いに聞きにいき、実物を見にいくつかお店を訪問し、ネットでしらべたりしながらも、暖かくなってくるとついつい後回しになったりで、気づくと1年近く経過。
けれど、前年度の冬のプロパンガスの請求額を思い出し、 本格的な寒さが来る前にやっと最終決断をした思い出があります。(古民家でのガスヒーター使用はほんとにコスト高!)
薪ストーブには、触媒方式やクリーンバーンなどの燃焼方法、そして、空気の対流を利用してファンヒーターのように風が作られるタイプ、調理用の空間が組み込まれているもの、おしゃれなインテリア風のものなど、構造にも様々あります。
私たちは結局のところ、一番シンプルにメンテナンスもできそうな、ストーブ自体の輻射熱でじんわりあったまる、そして、じっくり燃える広葉樹も、速く高温になる針葉樹や竹なども分別なく燃やすことができるタイプに決定。
大きさは、家の気密性や、温めたい部屋の広さで要検討です。
(古民家は、ご想像通り、隙間風だらけなので気密性は限りなく低い!)
我が家では、薪ストーブをメインの暖房にするため、大きめサイズを選びました。
国産で鉄の鋳物のストーブもいいかな、と悩みましたが、長い実績のあるものが確実だろう、とノルウェーのメーカーをチョイス。
南丹市美山町で薪ストーブの販売と施工を長年している業者さんにお世話になりました
薪ストーブの恩恵を一番うけているであろう我が家の猫。ヤケドしないか?!とたまに心配になるほど顔を近づけ、炎に魅入られていることも。邪魔しないで感だしまくりの、至福の聖域。

設置までの流れとお値段

どの製品にするかを決めてからは、 一度、業者さんに家の構造を見てもらい、設置場所を相談。その後、製品が届いてから設置工事、となります。
動き盛りの子供対策の柵は、幅を変えて1年中設置。着火剤は使わず、どうやったら早く火が付くかを試すのもわくわく。いくつになっても火遊びは楽しい?!
業者さんの下見では、2階の屋根裏に上り、梁の場所や、屋根材などを確認してもらいました。
また、私たちが希望した設置場所は、昔ながらの田の字型になっている4つの部屋の中心の一角。
その場合、両サイドの部屋とを仕切るふすま戸は、ストーブからの距離が近すぎるため、取り除かなくてはならないとのこと。
1階部分は常に仕切りがない状態で利用することになったので、大きめサイズにしておいて正解!でした。

煙突は、 長年のストーブユーザーさんもお薦めの、安全性の高い二重煙突にしました。使い始めてからおそるおそる煙突を素手で触ってみると、じんわ~り暖かい程度でびっくりしたのを覚えています。

設置工事にかかった時間は2日間。
煙突を通す天井や屋根部分の工事に時間がかかりますが、煙突工事で屋根の上に上がった業者さんから「屋根、しっかりしていい状態ですよ」と屋根チェックもしてもらえてラッキ~♪

気になるお値段ですが、煙突や下に敷く鉄板、その他必要な備品、そして施工までいれると、ストーブそのものの値段の2倍程度が総額の目安となるようです。

ちなみに南丹市では、 地域の森林資源利用を促進するという目的で 「薪ストーブ及び木質ペレットス購入助成事業」が設けられており、ありがたいことに、薪およびペレットストーブの購入に助成金が出ています。

見積もりや、設置見取り図など、業者さんにお願いする書類などもあり、また年度予算なども関係してくるので、購入前に問い合わせをお勧めします(令和3年2月現在は南丹市役所環境課が窓口) 。

薪はどうする?

どこから調達するんだ?と最初はハテナだった薪ですが、いくつかの方法があります。
①すでに薪になっているものをある程度の量で専門業者から購入(乾燥済みですぐ使える)
②森林組合や材木屋さんから原木を購入して、自分で薪を作る(薪割後、1年、できれば2年くらい乾燥させる必要あり)
③山で木を切り倒すところから自分でやる!
私たちは主に②で、地域内の資源を利用したいため、日吉町森林組合から広葉樹の原木丸太を購入しています。近隣には他にも原木を販売している業者さんが何社かあります。
我が家の場合は、だいたい1シーズンで4トン分を注文。
組合の方が年末前後に来冬分となる4mの原木を、太さにもよりますが、20~25本くらい運んできてくれます。
その後はチェーンソーでストーブのサイズに合わせて定尺に切る”玉切り”をしてから、斧でばしばし割る!
今のところ夫作業の薪づくり。 無心で割る、ちょっとした瞑想時間らしい。

ストレス解消にはかなりいい作業ですが、地道に時間も体力も必要です。
7トン分を3日間で割り切ったとういう友人父には驚愕でした。
夫婦70歳までは斧で薪割りをし、その後は薪割り機を導入した、という知人もいます。

ストーブを導入した初年度は、設置したのがすでに10月で、うっかり薪の準備を全くしておらず、①のルートでいくつかの業者さんから1シーズン分を購入しなくてはなりませんでした。
かなり便利で楽な分、もれなくお値段も↑。結局ガスヒーターのプロパン代と同じくらいだった記憶が・・・
キャンプ場などでよく400円程度で売っている一束(いっそく)分の薪はあっという間に燃え尽きます。
③は、山を持っている場合以外は、ちゃんと山主さんに許可を得る必要があります。
台風で杉がばたばた倒れた後など、多少は整備にもなるので、快く許可を貰えることが多いようです。
薪が調達できる山作業があるよ、と声をかけてもらって、夫が近隣の山に行くことも。
危険が伴うのと、かなり体力を要する厳重注意での作業になります。
いずれにしても、自分たちにあった方法とコストで薪が入手できることが重要。
将来的に薪がしんどくなってきたら、ペレットストーブに切り替える手もあり、と実は、密かに考えていたりもしています。(お隣の京北町に地域資源から作るペレット工場もある!)
これでぎりぎり1シーズン分。使い勝手の良い乾燥&保管場所を作るのもポイント。
本当にありがたいのが、たまに「いらなくなった薪がたくさんあるからいるか?」と声をかけてくださる方があること。
温水用に薪ボイラーを昔から使っている(いた)家庭がちらほらあることをそれで知りました。
集落の方から、亡くなった旦那さんが30年以上前に切った薪をたくさん頂いたこともあります。
ほこりはかぶっていても、虫食いにもなっていない立派な薪だったので驚いたのですが、
山の手入れをするための昔ながらのカレンダーなるものがあるらしく、
水分含有量などをきちんと見分けて切った木は本当に長持ちすると教えていただきました。
昔は夜は縄ない、昼は山に柴を取りに入る毎日だった、とか、
山の中で薪割りもすませて、そのまま積み上げて1年間乾燥させてから運んでいた、など、
火がもっと暮らしの中にあったころの話を聞かせてもらい、また少し、里山暮らしが好きになりました。

薪ストーブのメリット&デメリットは?

暖房としては、薪ストーブ1台で私たちは十分満足しています。それでも窓周辺の断熱や隙間風対策など工夫は必要で、朝は少しの間ガスヒーターは使用しますが、じんわり長続きする温かさは薪ストーブがダントツ。
暖房費用に関しては、 上記②または③の方法で薪を入手するなら、薪ストーブの方が断然安いです。
チェーンソー、斧などへの初期投資と、体力&時間は必要ですが・・・
メリット&デメリット両方かもしれないのは、とにかく乾燥がすごいこと。
夏は湿気で開きの悪い障子戸が、薪ストーブ利用中は何の抵抗もなくスーッと動く!(笑)
乾燥しすぎを防ぐため、常にやかんからの蒸気があるようにしていますが、冬なのに洗濯物が一晩で乾く!そして、干し野菜などが嘘のように簡単にできる!この2点は嬉しい発見でした。

今年採れすぎた黒丸大根(左)は、一昼夜でからからの干し大根(右)に。
ふりかけ用に人参葉を乾燥させたり、干しリンゴも◎(リンゴは干すのと消費が同時進行;)

11月から3月末頃までは 就寝中も太い薪を1本くべており、自宅事務所で仕事をしている我が家は1日中燃やしていることがほとんどなので、3,4日に1回くらいは灰の掃除が必要です。
面倒ではあるけれど、慣れればそんなに大変でもなく、木灰なので、畑や庭木にまいて使えるのも良いところです。

薪ストーブを使った料理に関しては、ストーブ上での煮豆やシチューなど、コトコト系はばっちり。(グツグツ煮えるまですると、部屋が暑くなりすぎるので、コトコトでキープ)
炉内でためしたピザ、焼き芋やパン(ダッチオーブン使用)、などは火を熾きにする必要があり、それでも一部焦げてしまったりが多いので、まだまだチャレンジが必要、というところです。
温かさの調整が難しかったり、夏場にしまえないこと、薪が少なくなると不安になる(視覚的に訴えてくる!)などありますが、基本、導入したメリットの方が大きいように思います。
薪ストーブのある里山暮らし、イメージはついたでしょうか?
”暖房”ではあるのですが、私たちにとっては、都会や住宅の密集地ではなかなかできない、ならではの冬の楽しみになっています。
息子たちが大きくなったら、薪割りをしてくれることを期待しつつ、自分たちの体力キープもがんばろう、と薪をくべながら思うのでした。
小さい人と、小さい春を探しに雨降り散歩。このあとはお決まり、花より泥んこコースでした…
京都の田舎で暮らしてみたい

\日本初!民間で作った移住ガイドブック「楽しい移住」/京都の里山、南丹市に移住した女子3名が作りました。8組の先輩移住者に徹底取材、多様な生き方暮らし方”これからの移住スタイル”をご紹介。実は知らなかった田畑の取得方法や古民家購入のノウハウなど。2019年3月発刊、全104ページオールカラー読み応えたっぷり。

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