あの暑かった夏はどこへやら、気が付くとすっかり季節が変わっていますね。つむぎが活動している京都府南丹市でも、少し早くきた紅葉がまだまだ秋の風景を見せてくれています。濃い朝霧から少しずつ見えてくる色とりどりの山の美しいこと!
つむぎが作った移住ガイドブック「楽しい移住~京の里山なんたんで、であう・つくる・つながるくらし~」では、そこに住む移住者8組の紹介や、これから移住したい人たちへのおすすめ訪問スポット、南丹市での家探しの方法などを、移住したつむぎメンバーの視点から盛りだくさん書いています。今回は、その本の中でも紹介した、南丹市の移住・定住促進のサポートについて、改めて南丹市地域振興部地域振興課の下田真徳(まさのり)さんにインタビューをさせていただきました。「どこから“移住”に手を付けたらいいの?!」というお悩みにぴったりのお話です!
南丹市が提供している移住希望者へのサポートにはどんなものがありますか?
南丹市定住促進サイト「nanclaなんくら」から市の基本情報や、就職・起業に関する支援制度、子育てや高齢者向けの支援情報、そして空き家バンクなど、移住者が知りたい情報を見ることができます。また、このサイトからダウンロードできる南丹市定住ガイドブック「なんくら」には、移住の際の補助制度など含め、さらに詳細の情報がまとめられていますので一度ご覧になってください。
南丹市役所日吉支所にある定住促進サポートセンターでは、2名の常駐職員が移住希望者の方のニーズを聞き取りしながら、物件探しや、地域の紹介など様々なサポートを提供しています。
初期費用はどれくらい?どこの地域がお勧め?、などの質問が多いですが、何よりも、移住を希望する人が自分のイメージをしっかりさせていくことが重要。そのために、センターでは職員が電話や直接の面談でいろいろと聞きながら、ふわっとした移住のイメージをじっくりと希望する形にするお手伝いをします。空き家バンクを利用した移住をご希望の場合は、まずは、センターにご相談ください(お問い合わせTEL0771-68-1616)。
「移住」と「引っ越し」の違いは、単にニーズに合った住む場所を探すのが引っ越し、住む地域との“マッチング”を図るのが移住、ということができます。南丹市のサポートとしては、センター職員や地域をよく知る地域住民が務める田舎暮らしナビゲーターが、移住先の人との出会いやコミュニケーションをとりもち、スムーズに地域を紹介できるようにしています。ヒアリングを通して、希望の空き家が決まれば、このような地域住民との引き合わせなども可能になります。
移住した後にもセンター職員をはじめ、気軽に相談してもらえます。
オンラインでも移住セミナーを開催しています。近々あるのは、12月5日開催の京都府移住・交流フェアです。事前申し込みが必要で、ZOOMでの開催になりますが、地域おこし協力隊員や市役所職員が個別相談会や座談会でお話しさせていただきます。
どんな人たちから移住希望の問合せが多いですか?
移住の問合せは年々増えており、今年はコロナの影響もあるのか、暮らしを見直したい、など、昨年度の1.6倍の問合せが来ています。少し前は、田舎への移住の理由として、自分の楽しみのためやスローライフがしたい、と言ってこられる方が多かったのですが、最近は、地域に馴染めるか、どんなことをしたら地域に喜んでもらえるか、などを気にされる方が多くなりました。
ずばり、南丹市の魅力は?
スタイルに合わせてどんな環境で住みたいか、自然を感じながらも割と便利なまちなかの暮らしから、濃厚な人づきあいと自然に密着した本物の田舎暮らしまでなど、住みたいスタイルに合わせての選択肢が多いこと。
また、子育て支援が充実しており、行政が提供する制度的な支援と、例えば、NPO法人グローアップが提供しているような民間での支援があり、子育て環境の土台がしっかりしています。学校もコミュニティースクールの考えをもとに、地域の人々が積極的にかかわる取り組みが進んでいます。つむぎの活動もそうですが、南丹市は地域住民の取り組みが活発で、それも魅力の一つだと思います。
これまで移住に関するトラブルはあまり聞いておらず、スムーズな移住の受け入れができているのかな、と。また移住者からも地域での出会いがあってよかったという感想をもらっています。
こんな人にきてほしい、というのはありますか?
「地域に馴染めるか」ということを気にされる移住希望者が多くなった、ということはありがたいことで、やはり、地域を一緒に良くしていきたい、と動ける人にきてほしいなと思います。これまでに地域活動や町内活動をしたことがなくても大丈夫。友達作りと同じで、無理せず、明るく素直にいろいろときいているとすっとうけいれてもらえるものです。
また、自分の部屋や、庭が広がった、という感覚で地域を見れば、身をきれいにするのと同じで、自然と「良くしていくのが当たり前」、と感じられるようになるのでは。今、私たちがこの風景、この暮らしを持てるのは、先人たちが残してくれたから。次に伝えていきたい、という思いもあります。
移住に関して今後の課題や取り組みは?
高齢化もあり、地域の体力もそれぞれなので、集落の維持以外への余力が限られ、移住者への受け入れ態勢に地域差が出てきているところもあります。ですが、できるだけ地域が主体となって担っていけるように、行政も地域に入っていって、地域と一緒に仕組みをつくっていきたいと思っています。また、移住に関連する取り組みには補助制度などの支援も設けています。
移住を希望する人たちへのメッセージをお願いします。
移住・定住促進というのは政策というより、地域をよくする手段だと思っています。そういう意味では、移住を通して、一緒に仲間になりましょう!とお伝えしたいです。
南丹市美山町の最奥地、洞(ほら)地区がご出身の下田さん。自慢できるところがたくさんある、というこの地域を愛するあつ~い思いを持ってらっしゃいます。一番好きなスポットは、なんといっても音谷の滝。落差65mの滝は、メジャーで長さをきちんと測ったことがあるそうです!
他にも美しい滝が多くある洞地区。地域住民が整備した滝つぼまでの遊歩道もあります。季節ごとの美しい山林を楽しみながら、圧巻の滝を尋ねてみては?(現地ではガイド付きツアーが必要となります)
下田さん、ありがとうございました!
\日本初!民間で作った移住ガイドブック「楽しい移住」/京都の里山、南丹市に移住した女子3名が作りました。8組の先輩移住者に徹底取材、多様な生き方暮らし方”これからの移住スタイル”をご紹介。実は知らなかった田畑の取得方法や古民家購入のノウハウなど。2019年3月発刊、全104ページオールカラー読み応えたっぷり。