news

「田んぼの1年生」の1年目終了報告と2024年の抱負

南丹市日吉町で4月23日に始まった「田んぼの1年生」が11月23日に最終回を迎え、早一カ月経ちました。最初の「1年生」となった方たちは今ごろどうされているのかな~と思いながら、わら納豆に使う大豆をストーブで煮ている今日このごろです。豆が煮えるまでこたつに入りながらこの1年を振り返ってみたいと思います。

参加者に配られた「村民パスポート」である缶バッジ

思い返せば去年の今頃、中山間組合の梶本さんから「圃場整備(小さい田んぼをまとめて大きな四角い田んぼにすること)の入っていない小さい田んぼがあるんやけど、つむぎで参加者を募って田んぼやらないか?大きな機械がなくてもあそこならできると思うねん」とお話をいただきました。それからとんとん拍子で準備がすすみ、関西広域から参加者さんたちが集まってくれ、第一回4月23日に田んぼの1年生は水路の掃除からスタートしました。
1年をかけて目指したのは「できるだけ機械や農薬などに使わない、小規模のお米作りでの自立」!

世の中に田んぼ体験イベントは数あれど、水路掃除をするのはほぼ初めてといっても過言ではないでしょう。京都新聞も取材にきてくれました。

刈り払い機講習会はいつもお世話になっている日吉町森林組合さんから。みなさん一通り身につけることができました

第二回目あぜぬりと電柵補修、刈り払い機講習会
田んぼの水が抜けないようにあぜを泥で塗るのと、野生動物が荒らさないように電柵を修理し、電気が時間通り流れるか見るのは大切な仕事です。中山間組合の近藤定市さんが1年を通して講師として色々教えてくれました。あぜ塗りは今は手ですることはほぼないです。定市さんは「こんな大変な事しなくていいように機械を買ったのに」とあきれながらも驚くべき手際であぜをつけていきます。わたしたちは真似しているつもりでも「違う」「そうじゃない」とずっと言われてました。言葉にできないコツがあって難しい!

第三回目はいよいよ田植えです!まずはまっすぐの線をひくところから。ひもでめじるしをつけ、定市さんが育てた苗をみんなで植えることができました。
その後、順調に成長していたのですが、アクシデントが!田んぼの水が冷たかったせいか、稲にいもち病が発生したのです。ご近所さんからの通報(?)があり早期発見できたので対処が早く、その後は無事成長していきました。

第四、五回目田の草取りと草刈りです。草が見えないくらい小さいうちに草とりをしておかないと雑草が伸びてから草取りをするのは大変なんです。手押しで草を取る「田せり機」を押したり、手で泥をかいたりして雑草をとっていきます。7月はあぜのふちに大きくなったヒエなどの雑草もあり、みんなで結構たくさん採りました。そのかいあってか、その後1年を通して雑草にはあまり悩まされませんでした。(これは水管理をしていただいていた定市さんの管理がよかったせいと思われます。水管理大事)
また、南丹市農業委員会の方から、農地を買ったり借りたりする際には必須となる「農地法」についてのレクチャーをいただき、なかなか日中作業が難しくなる真夏の8月は来れる人がときどき来ては草刈りなどの管理をしました。

第六回目は待ちに待った稲刈り!自分たちで作った米の重みを感じながら、手で刈り取りわらでくくって、稲木干し(天日干し)しました。

第七回目は稲木から稲をおろし、足踏み脱穀機で脱穀です。脱穀のあとはとうみで要らない部分を飛ばします。体を使ってやるのは大変!上の田んぼは定市さんの脱穀機を使ったら、早い早い。あっという間に脱穀ができ、精米機に持っていくことができました。その日に脱穀した手作りの新米を食べて感激しました。

第八回目収穫祭!その前に少しお勉強。南丹市農業推進課から南丹市の農業の現状についてレクチャーを受けました。それからみんなで料理開始です。この日のために(?)田んぼの横の畑で野菜も作っていました。猟師でもある梶本さんからジビエのお肉も届き、調味料以外は日吉町産の食材のみで作った豪華なおかずとかまどで炊いた新米が机一杯にならびました。美味しさは言うまでもありません。

最終回の第九回目は南丹市の地域振興課さんから移住についてのレクチャーと田んぼと畑の終い仕事。そして少しお楽しみを、ということで、田んぼつながりで稲わらを使ったしめかざりづくりを行いました。(わら細工につかったのは定市さんのもち米のわらです)クリスマス前なので、それまではクリスマスリースとして使えるように、里山の草花や実でかざりつけました。みなさん凝り性で、工夫してとてもすてきな飾りができていました。

田んぼの耕運では前々回いなわらを全部こまぎれにして田んぼに肥料としてまいていたのものをすきこんで来年の栄養にします。畑に残っていた黒豆やナスの枝などもすべて抜いて片づけていきました。
田んぼさんありがとう!畑にも感謝!
参加者のみなさんも最後まで頑張っていただきありがとうございました。

ということで今年の田んぼの1年生は無事終了したのですが、目指すところの”自立”にどれだけ近づけたでしょうか?!
1年やってすぐに独り立ち、は難しいかもしれませんが、普段食べているお米の後ろにあるたくさんの作業や、そのお米をつくっている土、水、泥、光、里山の自然の力、などなどたくさんのものからなる感覚や感触は頭の中にも体のあちこちにも積みあがってきているはず!
来年はどんな形で続けるか、「水管理の仕方をもっと学びたい」「ひとりひとりの場所がほしい」などの希望をお聞きしながら、よりよい学びにむけて検討中です。
2年生として続ける方も、新たな1年生を始めたいと思っている方も、お楽しみにしていてください。
2月ごろには2024年の田んぼ講座のお知らせをお届けできる予定です。
今年よりさらに発展し学べる「田んぼの1年生」として芽吹くことができるよう、冬の間に力を蓄えていきます!

 

みなさま、どうぞよいお年をお迎えください!

京都の田舎で暮らしてみたい

\日本初!民間で作った移住ガイドブック「楽しい移住」/京都の里山、南丹市に移住した女子3名が作りました。8組の先輩移住者に徹底取材、多様な生き方暮らし方”これからの移住スタイル”をご紹介。実は知らなかった田畑の取得方法や古民家購入のノウハウなど。2019年3月発刊、全104ページオールカラー読み応えたっぷり。

本を読みたい >