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農×移住フィールド講座2022年報告とちょっとお知らせ

こんにちは、つむぎのドワイヤーです。
あっという間に冬到来…つむぎの拠点、南丹市日吉町周辺ではまだ積雪はないものの、忘れていたあの、突き刺さるような寒さがやってきました。
外の北風の音をききながら、年を超してしまう前に!そして暖かかった(暑かった!)時をおもいだしたい!と、この夏開催の農×移住フィールド講座「小さい農のはじめの一歩」を振り返ってみたいと思います。

園部と美山

今年の講座開催地は、4町ある南丹市の中で、市役所のある園部町と、北に位置する最も大きい地域となる美山町。

受入れをしてくれたのは、移住者で去年から認定新規就農者となった藤原よう子さんと、加工品を担当する荻原亜由美さんが運営するココペリファーム@園部町と、長年地元で農業を続けてこられた澤田利通さんと、地域おこし協力隊でもあり、美山で就農した吉田宙斗さんが関わる知井交流促進団体SATOYAMA@美山町。

2団体共に移住してきた人たちが、その地域とのとても良い関係性を作りながら”農”に取り組んでいるのが共通点です。
園部町での講座では、ココペリファームさんの拠点である摩気地域の振興会の方がお話しに来てくれたり、区長さんが農業委員会さんと一緒に自ら農地案内をしてくれたり。
美山町の講座では、吉田さんのサツマイモ畑で農作業体験をさせてもらっていると、隣で作業している農家さんから「上手に作ってる畑よねー」と声をかけられたり。
つむぎの講座開催も、普段からのよいつながりのおかげで、とても心地よく、温かく受け入れてもらうことができたんだな、と感じました。

座学

南丹市農業推進課の職員さんから学ぶ「南丹市の農業」と、農業委員会事務局さんから学ぶ「農地法」。講座で最も学びになったことは何ですか?の講座後アンケートで、今回もっとも選んだ人が多かったのがこの座学でした。
それこそ小中学校での社会や地理の授業以来かもしれない産地や農作物の話に、実際に農地に関わる段階になって初めて触れることがほとんどで、その難解さにうなってしまう農地に係る法律の話。

南丹市全域の地図をみながら農地や農作物の違いを丁寧に説明してくださいました。

地域の人たちとの話題の”引き出し”が増えたり、これまで見ていた田畑の風景が少しちがって見えてきたり、”農地”を扱うことがその農地のある地域にとってどんな意味があることなのか想像が膨らんだり・・・
いわゆる”農業”という規模ではない”小さい農”であっても、”農”や”農地”に関わるならばやっぱり知識として把握しておきたい内容だな、と改めて思います。
講師の方たちのコメントや、参加してくれた地域の皆さんからのご意見も加わって、学びの深まった座学時間でした。

今はピンとこなくても「あ、あの時の学びはこのことだったのか!」とふにおちるときがくるはず!

農地訪問

獣害対策にも、電柵、フェンス、トタン、などいろんな種類があります。真剣にメモ!

その地域によって本当にいろんなルールがあるんだな、と毎回新しい発見と学びのある農地訪問。
ココペリファームさんの集落では、山裾の高台にひっそりある、人の手で石組みされた古いため池を案内してもらったり、美山では、川から少し離れた田畑まで水を引き入れる堰と水路を見せてもらったり、水を確保する事がどれだけ重要で、どれだけの知恵と労力が注がれてきたのかを目の当たりにしました。

草刈りのルールもしかり、水の管理ルールもしかり、集落という単位で取り組んできたのは一人だったり一家族ではやっていけないことだから。里山と呼ばれる日本の中山間地での”農”の形に少しふれることができたのではないでしょうか。

ココペリさんが受け継いだ古いため池から続く水路。見過ごしてしまいそうだけど、畑には必須の役割を担っています。

農作業体験

暑い!…残暑というより、まだ真夏の蒸し暑さの畑での農作業。
ひたすらの草取り、ひたすらの土堀り、流れ落ちる汗!
ほんの1,2時間の作業でしたが、「もう少しやりたいですか?」の声には、皆さん「し~ん」。
農作業=体力と気力の修行、と改めて納得でした!

秋野菜の準備をしていた畝。草取りしたらさっぱり!
堀たてのさつまいもを、すぐ横の水路で洗います。水の豊かな地域ならでは。
お米収穫のすぐ後でしかできない、できたて”もみがら”で贅沢やきいも!

刈払い機講習会

森林組合のプロの職員さんから教えてもらう草刈り用の刈払い機講習会。
エンジン式の機械を、燃料を作るところから、機械の仕組みに刃の取り換えなどのメンテナンス、実際に使ってみるまで、一連を学びます。
地域の人たちは、「教えてもらわんでも使えるようになってたで」という人が多くて、使う機会のなかった特に移住者の場合、ちゃんと教えてもらえるチャンスは実はななかないのです。

エンジンをかけるのもなかなか難しい!
ほんの少ししただけでも始めは手がしびれます。

電気式は使ったことがある、形が違うのを使っているという人から、全く初めての人まで、安全に使えるようになる第一歩となったでしょうか。
春から秋までの”草との闘い”(これ、今では名言!)に必須のアイテム、使いこなせると本当にかっこいいのですよ~!

ちょっとお知らせ

夏の講座、振り返ってみましたが、初めての宿泊付きで開催した美山では、夜の交流会も盛り上がり、もっと地域のみなさんと話ができる場が作れたらいいな、と改めて思いました。今年も南丹市内や京都市内を含む、大阪、滋賀、兵庫県などの周辺地域から、また関東方面からのご参加もあり、みなさんの関心の高さや、やる気に本当に嬉しくなりました。
ご参加いただいた皆様、また、お問い合わせをいただいた皆様、また、暑さや台風の迫る中(!)、受入れして下さった地域の皆さん、ありがとうございました!

さて、現在、来年2月にこの農×移住フィールド講座&オンライン講座からみんなで一歩先に進んで行くための、シンポジウムを開催するべく準備をしています。

人口減少の中山間地+担い手が足りていない農地、という地域の課題と、
新たに”農”に関わりたいけどどうやったらよいか、という疑問や不安。
地域の人も、関心のある人も、いろんな立場の人たちが集まって、”地域の未来”という大きなテーマを、”農”の切り口で考えてみよう!という場です。

田畑をやってみたい、地方に移住したい、作るくらしを始めたい・・・
みなさんが”農”の切り口で南丹に出会う、ビジョンや計画をじっくり考える、つながりを作る、そんな機会にしていきたいなと思います。

農×地域シンポジウム「未来を耕す~これからの農と地域を考える」
2023年2月18日(土)@南丹市日吉生涯学習センター遊youひよし

詳細は近日中に公開予定です。ご期待ください!

 

園部での様子を取材いただきました!
京都の田舎で暮らしてみたい

\日本初!民間で作った移住ガイドブック「楽しい移住」/京都の里山、南丹市に移住した女子3名が作りました。8組の先輩移住者に徹底取材、多様な生き方暮らし方”これからの移住スタイル”をご紹介。実は知らなかった田畑の取得方法や古民家購入のノウハウなど。2019年3月発刊、全104ページオールカラー読み応えたっぷり。

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