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農×移住フィールド講座「田んぼの1年生」2024年のふりかえり

2024年もあっというまに残り数日。
ふりかえってみると、今年はとにかく田んぼに通った1年!でした。
あの夏の暑さに負けず、田んぼで青々と育つ稲の緑がまぶたに焼き付いています。

昨年から始まった日吉町中世木での田んぼの1年生に加え、今年は、園部町半田でも始まりました。
2年生も含め、各地域とも15~17名が合計10回の定例会と、複数回の「自由作業日」(のちに説明)に参加し、お米を育てることができました。
お米作り=田植えから、ではなく、まずは水路掃除と草刈りから!の田んぼの1年生。
1年を振り返ってみたいと思います。

中世木と半田
2年目となる中世木は、山あいにある小さな区画の田を今年は1枚増やして計4枚使い、1年生で一番広い1枚、2年生で残り3枚を担当しました。合計で約1反ほどでの協働でのお米作りです。
地域での受け入れ&講師は、中世木中山間組合さん。
中世木での田植えの様子。線を引いたり、棒で作った定規を使ったり。やりやすい方法を試行錯誤。
今年初の開催となった半田では、1反ちょっとある大きな四角い田んぼのうち、6畝ほどを使い、1組あたり約50~60㎡になるようロープで区切って区画を作り、各自の区画でお米を育てました。地域での受け入れ&講師は、ココペリファームさん。
太めのロープを引いて区分した区画@半田。予想以上に広いです。
どちらの地域でも、水路の掃除や周辺の草刈り/整備作業は全員で実施します。
地域が違うと水路の様子や使い方、草刈りなどのルールもまた違ってきますが、まずは、学ぶ地域でのやり方を知って基本的な作業ができるようになること、お米の作り方だけではなく農地を扱うために把握しておくべきことをみんなで一つ一つやっていきました。
水路掃除@半田:大雨やイノシシが歩くことですぐに泥に埋まってしまうのを、掻き出します。筋肉痛必至。
半田のお水は、手で組まれた石組の古いため池から。
稲刈り前に田んぼ周りの準備。地域の森林組合のプロから安全な使い方を学び、エンジン式の刈払い機をどんどん使っていきます。
苗づくりから
今年の新たなチャレンジは、苗づくりから始めること。
苗は購入することもできますが、自立・自給を目指すなら、やはり苗づくりから!
地域の気候や水、環境にもよってきますが、自分で苗づくりができると、好みの品種を育ててみることもできるようになります。
中世木では、この地域でよく作られている”キヌヒカリ”を、半田では、ひと昔前によくつくられていたという”アサヒ”という品種を育てました。
手植えの方法もいろいろな方法があるので、いくつか試してみたり。
苗代での苗づくりに挑戦@半田
異常な暑さの夏を超えて…
もう忘れそうになっているのが不思議なくらいですが、今年の夏は本当に、異常に暑かった!
外にいたら危険!と思わせる日がほぼ毎日。
こんなのではお米作りが(というか農業?外の仕事?)できなくなるのでは?!と本当に心配になりました。
それでも田の中にも畦の周りでも草は伸びる!
両地域とも農薬や除草剤をほぼ使わずのお米作りなので、その分人の”手”をかけます。
(半田は完全無農薬、中世木も今年は病気もでず、苗づくりの時に1回入れた立ち枯れ防止のみでした)
田植え後、稲が生長する期間中は、来れる日や時間に各自が現地にて必要な作業をする「自由作業日」の期間を何回か設けて、交代しながら全体で必要な作業を回すようにしています。
蒸し暑くても、丁寧に田の草をとっていきます。草を入れた袋はずっしり重い…
風とおしと防虫対策で草は恒に短く。田植えの前から、稲刈り直前まで、畦周りは重点的に草刈りを繰り返します。
涼しい早朝や夕方にはなかなか来るのは難しいですが、短時間集中!でみなさん頑張りました!
(地域交流会での生ビールは最高!でしたね~)
両地域とも、受け入れの講師の方たちが水の管理も欠かさずしてくれ、稲はぐんぐん‥‥
出穂から開花、そしてお米が少しずつ実っていく様子を現地や写真などで皆さんと共有しながら実りの秋を夢見て日々田んぼに思いをはせて…くれてたかな?
出穂後、数日間はかなげに咲くお米の花。開花中は田んぼには入らず、そっと受粉を待つのみ。
実りをいただきます!
稲刈りの時期が見えてくるとまたいろいろな作業がでてきます。
畦や周辺の草刈りはかわらず継続し、稲木を準備したり、田の中に種を落としてほしくない雑草たちを見逃さないように1本ずつひっこ抜いたり。
台風で稲が倒れないだろうか、とか、ケモノが入ってお米を荒らさないだろうか、とか、まだ刈り取れない実りが目の前にあるだけに、さらに日々ハラハラする時期なのです。
稲刈り、天日干し、そして脱穀もお天気とにらめっこをしながら。
今年のころころ変わる天気予報にはほんとうに振り回されました…;
手刈りを基本に、ちょっと文明の利器も使ってみる。どの方法だったらどれくらいの広さをできるかな、と少し感覚がつかめたでしょうか。
無心になってざくざくざく。3株でご飯1杯、と言い聞かせながら作業します。
そんな日々を積み重ね、やっと口にするお米…そりゃ美味しいですよね~
脱穀後のお米袋のずっしりとした重さは、自給と自立のほんの一歩目。
水があって、田んぼがあって、豊かな里山の環境があって、いろいろと教えてくれる地域の皆さんがいて…
数えられないほどたくさんの”つながり”の中にある自給と自立です。
そんなつながりの中で、お米を育てることができることに心から感謝。
同じようにお米作りをしたい、と一歩踏み出したみなさんとご一緒できたことに感謝。
また来年が楽しみです。
2025年も中世木と半田にて田んぼの1年生を実施します。
募集開始は1月中頃を予定。
このHP上にてお知らせします。乞うご期待♪
当事業は「持続可能な里山環境維持のための活動」として、今年度より、独立行政法人環境再生保全機構「地球環境基金」の助成を活用して実施しています。
京都の田舎で暮らしてみたい

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