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加工場をつくりたい!~ココペリキッチンの場合~

こんにちは、前田です。南丹市ではここ数年雪が少なかったのですが、今年は早くもなかなかの雪が降ってきました。

毎年、雪が降るとあちこちから「うちもそろそろ加工場をつくりたいなぁ」という声が聞こえて・・・は来ませんが、友達や自分の地域の人が「加工場がほしい」と言っているのを最近よく耳にします。

農作物はよくとれるものの、一次産業ではあまりお金にならなかったり、とれすぎたものの処理に困っているのが加工場がほしい理由です。みんなで加工品をつくることで楽しく地域活性化をめざすことも目的の一つです。

今回は『楽しい移住』の本でも紹介させてもらったココペリハウスのお二人が、自宅に加工場を作ったと聞いて、早速取材に行かせてもらいました。

  

ココペリハウスにつくと、早速ヤギの「こめこ」ちゃん(3歳メス)がお出迎え。干し柿や干し芋なども軒先をいろどっています。

ココペリハウスは、若い移住者の藤原よう子さんと荻原亜由美さんが運営する「癒しと憩いの場所」です。こりほぐしリラクゼーション「ココペリサロン」と、農場「ココペリファーム」、そして今回加工場を作った「ココペリキッチン」の3部門があります。

 荻原亜由美さん(左)と藤原よう子さん(右)。ココペリキッチンで作ったパウンドケーキと、ココペリファームで作ったお米を手に。

ココペリキッチンでは以前は加工場を借りてお菓子を作っていましたが、時間が決まっていたり道具の運び込みが必要だったりと大変だったので、自宅を加工場に改装することにしました。場所は離れの台所で、床や壁は改装しなくてもそのまま使えたのが良かったそうです。上水道と下水処理設備もそのままで大丈夫でした。

 

こりほぐしリラクゼーション「ココペリサロン」の隣に完成した加工場。床は最初から土間で、排水口を近所の職人さんに作ってもらいました。壁はもともとタイル張りだったのでこのままでOKでした。

二人は、畑でとれるものなどを活かして農作物加工品を作るために「食品製造業」の許可と、「菓子製造業」の許可を取りました。「食品製造業」の方は米や麦や大豆を粉にしたものやゆで小豆、乾燥野菜などを作ります。「食品製造業」は届出のみで無料。「菓子製造業」の方は1万4千円(2020年現在)でした。

許可申請のために保健所へ行った回数は5回。

保健所とのやりとり

①許可の話を聞き、手引きの冊子をもらう

→冊子を見ながら自分たちが必要な許可がどれか、その許可のためにどんなものが必要かを考える。

②加工場の設計図を絵に書いて見てもらう

→ここで直すところを教えてもらえる。

③現在の施設の写真を持っていって話を聞き、申請書の用紙をもらう

→写真は壁や床、換気扇などすでにあるものがこのままで良いか見てもらうために出しました。

④工事日程を決め、記入した申請書を提出。申請料を払う。

→工事が終わったら、保健所が加工場をチェックしに来る。

⑤許可が下りたら許可証を取りに行く。

ポイントはまず保健所に相談してから、改装したり必要なものを買ったりすること。あるもので使えたら良いし、足りない物は規格を確認してから買わないと、無駄になってしまいます。

ココペリキッチンで新しく買ったものは、

・作業台・二槽式シンク・手洗い台・ガスコンロ・給湯器・冷蔵庫の温度計(庫内と庫外を測る)・ガスオーブン・真空パックする機械・お菓子の型などその他こまごました備品

で、新規購入と床の排水工事を含め、全部で40万円ほどかかったそう。それでも、もらいものや中古品を探し、工事は近所の職人さんの力を借りたとのことで、普通に作るよりもずいぶん安いのではないでしょうか。地域の人と仲良くしているココペリお二人の人柄のおかげですね!

「買い物はどこで?」と聞くと、インターネットのほか、京都市伏見の「テンポス」でも調理台などを買ったそうです。テンポスはお店を開こうとする人が何でも揃えられる場所で、中古品もあります。機械類は中古品がないことが多いので、ネットで買ったとのこと。テンポス、おもしろそうなお店ですね!

テンポスドットコム【公式通販】|業務用厨房機器・調理道具・食器・家具の販売・レンタル (tenpos.com)

 

手洗い台と二槽式シンク。手洗い台はシンクとは別に必要。シンクは必ず二槽式を。

加工場の運用には、誰かが食品衛生管理責任者の資格を持っていることも必要です。1日の講習で取ることができます。ココペリキッチンでは荻原さんが取りに行きました。

構想1年半。夏の暑い時を避け、11月のクラフト市に間に合わせるため、行動に移してからは2カ月ほどで完成したという加工場。ところどころに手作りの木の棚や仕切りがあるのが素敵でした。

現在、パウンドケーキ、ビスケット、米粉マフィン、自家製酵母パンを作って近隣のイベントに出店したり、京都市内の「カフェ ノビルネ」(※下記参照)においてもらったりしています。

今後はオンラインショップや、飲食店営業許可も取ってカフェを開くことも考えているそう。

楽しみですね!

ココペリハウスに遊びに行きたい!手作り品を食べたい!

 

「カフェ ノビルネ」(京都市)・・京都市役所の近くにあるカフェ。毎週木金土に営業。11:30〜17:30(ラストオーダー17:00)南丹市在住のシェフが、ココペリファームなどの新鮮でおいしい食材を使ってランチを作っています。ココペリキッチンのお菓子は週替わりでクッキー、パン、パウンドケーキを販売。ホームページのほかinstagram「nobirune」でチェック!カフェ「ノビルネ」 (hatenablog.com)

お菓子、農産物加工品の購入・・お菓子は予約販売しています。農薬、化学肥料を使わず育てているライ麦やお米から製粉した、ライ麦粉や米粉も購入することができます。ご予約、ご連絡はこちらから→ココペリ ハウス | Facebook

ココペリハウス開放日・・毎月1回、ココペリハウスの暮らしを体験できる日。ハンモックでのんびり、こめこと遊ぶ、農作業をお手伝いなど。仕事を持ち込んで、古民家テレワークもOK。子どもは外で思い切り遊べます。(行くだけなら予約いらず、無料。お昼ごはんは要予約、有料です。)日程はココペリ ハウス | Facebookをチェック!

季節ごとの催し・・お田植祭、収穫祭、しめ縄づくり、味噌づくり(麹もココペリファームの米から作ってます!)など季節の手仕事や農作業をしています。日程はfacebook、ホームページをご覧ください→ココペリ ハウス | Facebook ココペリハウス|京都・南丹市園部町にあるやぎのいる豊かな里山古民家 (kokopelli-house.com)

・森の学舎(まなびや)五ヶ荘イベント・・南丹市日吉町四ツ谷にある、南丹市地域活性化センター(森の学舎五ケ荘)での参観日(月1回)やオープンデー(不定期開催)といった行事でランチを提供しています。日程はこちらから→森の学舎五ヶ荘(南丹市地域活性化センター) | Facebook

お忙しい中取材させていただき、さらにおいしい昼食までごちそうになり(笑)ありがとうございました!お二人のますますのご活躍に期待しています。

ココペリハウス写真館

家の土間に今年から登場した薪ストーブ。暖房に調理に大活躍。

ココペリキッチンでつくられた柚子のパウンドケーキ。しっとりおいしい!

取材時にいただいた昼食。ハーブ香る生姜焼きに、薪ストーブの上で蒸した野菜、手作り味噌の味噌汁など美味♪自給率100%とはいきませんが、もらい物と合わせてだとほぼ100%だそうです!

ココペリファーム。藤原さんが計画を立て、二人で運営。このほかに田んぼやライ麦畑も。来年はさらに広げるとのこと。トラクターももらったそうで、うらやましすぎます!

楽しそうに料理する二人

癒し処ココペリハウスで一番癒しを与えているのはこめこちゃんだそう。冬の餌代も募金ボックスで自分で稼ぎました!

 

毎年自分たちで作っているお米。農薬と化学肥料は使っていません!

薪ストーブのそばに干してある柿や種など。

地域の人に教わってつくったしめ縄。もうすぐお正月ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

京都の田舎で暮らしてみたい

\日本初!民間で作った移住ガイドブック「楽しい移住」/京都の里山、南丹市に移住した女子3名が作りました。8組の先輩移住者に徹底取材、多様な生き方暮らし方”これからの移住スタイル”をご紹介。実は知らなかった田畑の取得方法や古民家購入のノウハウなど。2019年3月発刊、全104ページオールカラー読み応えたっぷり。

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